仙台スポーツ
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Interview

FOOTBALL

最後にみんなで笑えるように。浜田遥はWEリーグ優勝と初代得点女王を目指す【後編】

―6月にプレシーズンマッチが終わった後も、マイナビは毎週のように練習試合をこなしてきました。試合形式の実戦を積んできたことで得られたことはどのようなことですか?

「プレシーズンマッチの時は、自分たちのサッカーに手応えを感じられていなかったんですけど、半年間積み上げてきたものが形になるという回数も増えてきたので、そういった面では練習試合をして、普段対戦しないような相手と試合をするというのは、自分たちには何ができるかを確かめられる機会だったと思います」

マイナビ仙台レディース 浜田遥選手

(提供:KYODO NEWS)

 

―「形になってきた」という実感があるのですね。

「まだまだな部分も多いですけど。練習でやっていることが上手くできず話し合う時に、会話の内容がより具体的になりました。『何ができていないんだろう』ではなくて、『ここができていないよね』という答えが、お互いに合うようになってきました。練習でやっていることが身についてきているのかなと思います」

―選手同士で話し合う回数は多くなりましたか?

「去年以上に話し合っていますし、より具体的にサッカーの話をするようになった気がします。以前は『うまくいかないね』『どうしたらいいんだろう』『距離感が遠いのかな』という曖昧だったところが、今なら『横にもう一つ、サポートを作るね』『縦にパスコースを作れていない』『隣に人がいない』と。それは練習の時から、松田さんが具体的に言葉で伝えて指示を出してくれるので、みんなも細かく言葉にできているのかな。そういう会話ができるようになっていると思います」

マイナビ仙台レディース 浜田遥選手

キャプテンとしても、一人の選手としても、言葉で自分の考えや想いを伝える機会が増えた

 

―マイナビの選手たちは、アスリートキャリアの講座を受講しています。言語化し伝え合うというという点で、選手それぞれの表現力が上がっているというところもありますか?

「そうですね。みんなの前で発言するという機会が全員にある。そういう機会が増えたことは、一つの要因としてあるかもしれません。相手との受け答えで、思っていることをちゃんと伝えられていると思います」

マイナビ仙台レディース 浜田遥選手

昨年は論理的に考え行動することで15ゴールを決め、得点女王まであと一歩に迫った

 

―昨年、大きくゴール数を伸ばし活躍した浜田選手。その時に取り組んだという、メジャーリーグの大谷翔平選手の「目標達成のチャート」(※中央に目標を書き、そのために必要なことを周りに記入して可視化し実践していく。目標への道を論理的に進むため、思考を整理するツール)今年も挑戦していますか?

「はい、挑戦していたのですが……。今年最初の目標が『プレシーズンマッチで点を取る』『代表に入る』ということでした。目標達成チャートも、そのために更新したのですが、プレシーズンマッチでは点を取れず、代表にも(4月の親善試合を最後に、それ以降は)入れなくて、ということが続いてしまい、次の目標を初めて書けなくなってしまって……。でもそういう時間を過ごして考えたからこそ、新しい目標はもうちゃんとできています。今はその目標に向かって、敢えてすべきことを細かく書き過ぎず、毎日寝る前に次の日の目標を携帯のメモに書くという作業に変えました」

―様々なことを経験し考えた中での、今の個人の目標はどう思い描いていますか?

「リーグ優勝をすることと、個人的には得点女王になることが目標です。リーグ優勝をした時に全員で笑っていたいです。試合に出たり、出られなかったり、みんないろいろな気持ちがあると思いますが、それでもチームのために動いたり、自分にできることを全力でやっていれば、優勝した時の感情はまた違うと思います。リーグ優勝するために、自分もたくさん得点を重ねていきたい。プレシーズンではゴールを取れていなくて、自分自身もチャレンジしていく中で得点女王という目標は大きいと思うんですけど、だからこそ、そこにこだわってやり続けることが、自分の良さを出し続けていくために大切だと思います。目標を諦めずに持ち続けたいと思います」

―「最後に全員で笑っていたい」という思い。それを追い求める心はどこから来ていますか?

「なんですかね……。難しいことだとは思います。自分も試合に出られていない時期や怪我でサッカーができない時期もありましたけど、それでも試合に出ている人は、本当に体を張ってチームのために戦ってくれています。自分は出られていなくても『頑張れ!』という気持ちになりますし、勝ったら嬉しかったです。それは試合に出ている選手が責任を持って戦ってくれているから。逆に、チームが勝っても自分が出られていなくて喜べない時は、自分にしっかりとベクトルを向けられていなくて、言い訳をしたくなったり……。自分自身を見つめることができていないとそういう感情になることもある」

―選手によっては、けがや競争の中で、思うように試合に出られないという状況もある。苦しい思いを抱える中で、簡単ではないですが、それでも自分と向き合い「チームのために」と考え行動できる選手が多ければ、「みんな笑顔の優勝」に近づける、と。

「みんな、いろんな性格でそれぞれの価値観があると思いますけど、その中でもみんなが本当に優勝したいという気持ちをもって取り組めば、最後はみんなで笑えるんじゃないかなって思います」

マイナビ仙台レディース 浜田遥選手

WEリーグという新しい舞台で、女子サッカーの魅力をもっと発信していきたい

―新しく生まれたWEリーグ、これまで以上にいろんな方に見て欲しいですね。

「試合をDAZNで中継してくれるので、今まで男子サッカーを見ていて、女子サッカーを見たことがないという方にも、見て頂ける機会が増えると思います。本当に、今年自分たちがどういうサッカーをするかで、今後のWEリーグがどうなっていくかにも大きく影響すると思います。新型コロナウイルスの影響もあるので、お客さんもなかなかスタジアムまで来られないかもしれないですが、期待とか……いろんな気持ちでいっぱいです」

―初年度は11チームで戦っていきますが、対戦相手で手強そうだなと思うチームはどこですか?

「ちょっとわからないですけど、今イノ(井上綾香選手/大宮アルディージVENTUS。昨年までマイナビベガルタに所属)の顔が浮かんだので、大宮ですかね。イノと早く対戦したいです」

―待ちに待った開幕戦は9月12日、ホームのユアテックスタジアム仙台にノジマステラ神奈川相模原を迎えます。どんな風に戦おうと考えていますか?

「開幕戦で点を取りたいです。勝つことが一番ですが、その中で点を取ってやるという強い気持ちを持ってずっと取り組んでいます。自分が点をとってチームが勝てれば嬉しいです」(完)

 

マイナビ仙台レディース 公式Webサイト

 

Photo by 土田有里子

村林いづみ
村林いづみ

フリーアナウンサー、スポーツキャスター。2004年からラジオでベガルタ仙台のトーク番組を担当し、2007年よりスカパー!や DAZNで中継リポーターを務める。ベガルタ仙台レディースは2012年のチーム発足時より取材を開始。ヒーローインタビューと勝利の祝杯を何より楽しみにしている。