仙台スポーツ
COPY
URL
COMPLETE

Interview

FIGURE SKATING

千葉百音 選手 インタビュー(後編)世界で戦うことが目標。観客を笑顔にするスケーターになりたい

フィギュアスケート界の新星として注目を集める千葉百音選手。この春からは「お兄ちゃん」的存在である先輩の羽生結弦選手も通った東北高校で、新たな一歩を踏み出しました。後編では、彼女のパーソナルな部分にも触れながら、高校3年間での目標、将来の夢を語ってもらいました。

 

―この4月から高校生になりました。生活に大きな変化はありましたか?

特に大きな変化はないですね(笑)。ただ、平日は放課後のほかにも、曜日によっては特欠扱いで練習時間を確保させてもらえます。また、月曜と木曜には朝6時から朝練習もしています。リンクが貸し切りのときとそうでないときがありますが、フィギュアスケートは一日でも休むと感覚が乱れると言われているので、土日も含めて毎日練習はしています。

―フィギュアスケート漬けの日々ですが、他に趣味などはありますか?

最近は、あまり趣味らしい趣味はないですね(笑)。でも、小中学生のときは、読書にすごく没頭していて、いろいろなジャンルの本を読んでいました。自分は一度読み始めちゃうと、他のことに手を付けられなくなっちゃうタイプなので、そこはちょっと反省すべきところではありますが(笑)。ただ、本を読んでいる間はとても幸せです。

―高校に上がって、勉強との両立も大変じゃないですか?

大変ではありますが、学校の休み時間などに宿題は全部終わらせて、とにかく勉強関連のことは学校で済ませてくるようにしています。いつも学校で勉強している分、家で勉強をしていないのがバレバレですが(笑)。

千葉百音 選手

―東北高校の先輩には羽生結弦選手がいます。千葉選手が幼い頃に羽生選手から頭をポンポンと撫でられている映像も有名ですよね。

その頃の私にとって、羽生選手は「遊んでくれるお兄ちゃん」みたいな存在でした。その後、羽生選手が海外の大会でたくさんメダルを獲るようになったのですが、小学生に上がってから「すごい人だったんだ」とようやく気付きましたね(笑)。ちなみにアドバイスなどをもらったことはほとんどなくて、本当に「お兄ちゃん」という感覚。たとえば当時、私が幼稚園から帰ってきて練習を始めるとなったときに、羽生選手の練習がちょうど終わるタイミングで、そのときによく遊びに付き合ってくれた思い出があります。

―2019年の全日本選手権では、羽生選手と再会も果たしました。

ずっと会えなかった間にどんどん活躍していったので、私の中の遊んでくれたお兄ちゃんという存在から、少し遠ざかってしまったような感覚がありました。でも、再会したときは、昔みたいに接してくださったので「覚えていてくれたんだ!」と思い、少しホッとした気持ちになりました。

千葉百音選手

ハーネスを使って4回転ジャンプの練習をする千葉選手(仙台泉F.S.C.より提供)

―また、千葉選手の練習拠点であるアイスリンク仙台は、羽生選手や荒川静香選手を生んだリンクとしても有名です。仙台のフィギュアスケートの盛り上がりを、どのように感じていますか。

まず、有名な選手がたくさん輩出されたこのリンクで練習できるのはとても誇りに思います。また、一年中使用できるリンクは南東北にはほとんどないので、とても恵まれた環境にありますし、素晴らしいコーチもたくさんいらっしゃいます。クラブには同年代の子や後輩たちがたくさんいるので、みんなでメダリストの方々を目標にしながら「自分もうまくなろう!」という思いで練習することができています。

千葉百音 選手

田中総司コーチと話す千葉選手

―千葉選手にとって羽生選手がそうであったように、今後は千葉選手が後輩たちにとって憧れの的になっていくかもしれません。

そうですね。もしかしたら「私みたいになりたい」と思ってくれる後輩が出てくるかもしれないですし、それはうれしいことです。でも、私自身は、追われる立場になるより、追う立場のほうが成長できると思っています。まだまだ自分より上手な選手はたくさんいるので、これからも変わらずにその選手たちをリスペクトして、さらなる高みに上っていきたいです。

千葉百音 選手

―意識する選手、ライバル視する選手はいらっしゃいますか?

これといった特定の選手はいません。自分にとっては、全ての選手がライバルであり、また一緒に戦う仲間でもあります。それに、同年代だけでなく、年下にも私より上手な選手はたくさんいるので、周りからたくさんのことを吸収して、自分の成長につなげていければと思っています。

千葉百音 選手

―高校に入学して間もないですが、3年間での目標はありますか?

今年こそ、全日本ジュニア選手権では表彰台に乗りたいです。あとはこれまでもそうでしたが、大きな大会の決勝になると本来の力を発揮できずにいるので、予選のときと同じように、周りを気にせずに自分の演技ができるようになりたいですね。

―最後に、将来の夢や目標を教えてください。

「将来はこういった成績を残したい」という具体的な目標はまだ定まっていませんが、心技体が一つになった演技をして、観客を笑顔にできるようなスケーターになりたいと思っています。また、世界で戦える選手になることも目標の一つ。そのためにも、トリプルアクセル、4回転ジャンプなどの習得にもチャレンジして、もっともっと能力を高めていきたいです。

(了)

取材日:2021年6月5日

■プロフィール

千葉百音(ちば・もね)◎2005年5月1日生まれ、仙台市出身。4歳からフィギュアスケートを始める。小学6年時に香港で行われたアジアンオープントロフィー2017のアドバンストノービス日本女子代表に選出。中学1年時には東北・北海道ジュニア選手権で初出場、初優勝。2年時には東日本ジュニア選手権で優勝、全日本ジュニア選手権で6位入賞を果たし、全日本選手権に推薦出場。2020オランダチャレンジカップ日本代表・ジュニア女子優勝。3年時も2大会連続で全日本選手権出場を果たした。今年4月、東北高校に進学。仙台泉F.S.C.所属。

 

Photo by 土田有里子

郷内 和軌
郷内 和軌

1992年10月14日生まれ、岩手県一関市出身。一関第一高校卒業後、仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科に進学。アルバイト等で執筆経験を積み、2015年4月より岩手県盛岡市の制作会社「(株)ライト・ア・ライト」に入社。地域限定スポーツ誌「Standard」の制作等に携わり、2019年4月よりフリーランスとして活動中。