仙台スポーツ
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Interview

FOOTBALL

ソニー仙台FC 藤原元輝選手インタビュー(前編)「企業チームとしての揺るがぬ矜持。アマチュアNo.1を目指す」

 6シーズンぶりのJFL優勝を目指すソニー仙台FC。今シーズンから10番を背負うのは、仙台市出身の生え抜き・藤原元輝選手です。過去に2度のベストイレブンにも輝いたアタッカーは「企業チーム」のプライドを胸に、2021年の戦いに挑みます。

―今シーズンに向けて、この冬はキャンプ等を積まれてきたかと思います。チームとしての手ごたえはいかがでしょうか?

「例年に比べてコンディションづくりが早く進んでいるので、良い感じでチームが仕上がってきていると思います。監督もそのままですし、メンバーの入れ替えもほとんどなかったので、すでにベースができている状態。これまでやってきたことを今年も継続していくような形なので、昨年よりもチームとしてのまとまり、やりやすさはあるかなと感じています」

―改めて、ソニー仙台FCが目指すサッカーのスタイル、コンセプトはどのようなものですか?

「まず一番は、ハードワークですね。ハードワークで攻撃と守備をサボらずやって、あとはスプリントして前にどんどん出ていく。観ている人の心を動かすようなサッカーを体現したいと思っています。そのため普段も強度の高い練習ばかり。だいぶ試合に活きているなと実感しています」

―個人的な部分での手ごたえはいかがでしょうか?

「今年でチーム在籍6年目になりますが、体のキレという部分でも、例年に比べて早い段階で仕上がっているという感覚があります。良い状態でコンディションが保てているので、これをシーズン中も維持できるように、日頃の練習から取り組んでいきたいですね」

―今シーズンからは背番号「10」を背負います。気持ちの変化はありますか?

「あまり自分は背番号にこだわるようなタイプではなかったのですが、やはり背番号って、選手にとってモチベーションの一つになるんですよね。だから今シーズンは心機一転、フレッシュな気持ちで戦いたいということで、背番号を変更しました。10番を背負うということは、チームを代表して戦っているという部分もあるので、得点やアシストなど目に見える結果を出して、勝利に貢献していきたいです」

―ちなみに背番号の変更は、自分から申し出たのですか?

「自分からです。実は2年目のオフのときにも10番が空いたことがあって、周りから「10番付けちゃえよ!」みたいな声をいただきました。でも、当時はコンスタントに試合に出ていたわけではなかったし、あまり自信もなかったので「いや、俺はいいです」って遠慮したんです。ただ、それからベストイレブンにも選ばれる(2018、20年の2度受賞)など結果も付いてきて、自信もだいぶ持てるようになりました。チームを引っ張るという意味を込めて、今シーズンは自分から「10番を付けよう」と決断しました」

―昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で、リーグ戦が30試合の予定から15試合に半減しました。特殊な1年でしたが、藤原選手にとってどのようなシーズンだったでしょうか?

「昨年は3月にシーズンが開幕する直前で、1週間、2週間と延期になっていきました。その後1カ月間も活動が休みになるなど、選手もスタッフも、モチベーションを保つのが大変でした。ただ、15試合の一発勝負(本来はホームアンドアウェーの2回戦総当たり。昨年は1回戦総当たりに変更)になった分、1試合の重みというのを大事にしながら戦うことができました。イレギュラーなシーズンでしたが、良い経験になったと思います」

―最終的に3位となりましたが、終盤までは優勝争いを演じました。チームとしても上積みを感じられた1年だったのではないでしょうか。

「昨シーズンは選手もだいぶ入れ替わったので、試合を重ねながら成長していきたかったのですが、それが15試合しかなかった。なので、良いときはありましたが、悪いときに立て直せなかった部分があり、それが敗戦につながってしまいました。ただ、今シーズンは2年目の選手たちもチームのやりたいサッカーが分かっているし、新しく加わった選手たちも早い段階でフィットしているので、良い結果が出せるんじゃないかなと個人的には思っています」

―藤原選手は昨シーズン、1試合で4得点を挙げるなど全15試合に出場し、JFLのベストイレブンを受賞する活躍ぶりでした。

「1試合で4点って、めったにないことだし、今後あるかどうかも分かりません(笑)。昨シーズンは7得点しましたが、他の試合でも得点を取れるチャンスがたくさんあった中、結果として点を取れたのは3試合だけ。今シーズンは1試合1点ぐらいのペースで、もっとコンスタントに得点できるようになりたいです」

―ちなみに普段は働きながらサッカーをしていますが、1日のスケジュールはどのような流れになりますか?

「時半から14時まで働いて、その後移動して15時から17時まで練習、といった流れです。オフは月曜で、日曜がアウェー戦だったら仕事も代休になります。ただ、日曜がホーム戦のときは、練習はオフになりますが、17時の定時まで勤務することもあります」

―仕事とサッカーを両立するのは大変ではありませんか?

「最初は慣れるまで時間が掛かりました。でも、会社の方々がいろいろと支援してくださっているおかげで、自分たちが活動できています。会社を代表して戦っているという思いがあるので、練習から手を抜くことはできませんし、試合中も「絶対に勝って、会社に良い報告をしたい」という気持ちでそれぞれが戦っています。ホーム戦のときは会社の方々が応援にも来てくださって、それが自分たちのモチベーションにもなっていますし、企業チームならではの一体感があると感じています」

―近年のJFLは、Jリーグ入りを目指すチームが増えています。その中で、Jリーグを目指さない「企業チーム」として戦うことについて、どのように感じていますか?

「Jリーグ入りを目指すチームと対戦するときは、相手の選手、サポーターがすごい熱を持って挑んできます。だから逆に、自分たちも「絶対にJリーグに上がらせねえぞ」という強い気持ちで戦っています。それに、企業チームは昇格することがない分、モチベーションを保つのが難しいのではとよく言われますが、自分たちは優勝という1つの目標のために頑張っていますし、「アマチュアNo.1を目指したい」という気持ちが一番にあります。それこそ、Honda FCさんがJFLで4連覇したときがありましたが(16~19年)、同じ企業チームとして、そこには絶対負けたくないですし、だいぶ意識はしていますね」

(後編に続く)

 

■プロフィール

藤原元輝(ふじわら・もとき)◎1993年12月25日生まれ、仙台市出身。173cm、65kg。ポジションはMF。小学4年時に四郎丸サッカースポーツ少年団でサッカーを始める。聖和学園高校では、インターハイ、全国選手権に出場。東海学園大学を経て、2016年、ソニー仙台FCに入団。18、20年にはJFLベストイレブンを受賞。リーグ通算125試合出場、39得点(2020シーズン終了時点)。

 

Photo by 土田有里子

郷内 和軌
郷内 和軌

1992年10月14日生まれ、岩手県一関市出身。一関第一高校卒業後、仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科に進学。アルバイト等で執筆経験を積み、2015年4月より岩手県盛岡市の制作会社「(株)ライト・ア・ライト」に入社。地域限定スポーツ誌「Standard」の制作等に携わり、2019年4月よりフリーランスとして活動中。