仙台スポーツ
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Interview

FOOTBALL

双子の福田姉妹が挑む、WEリーグ初代女王への道。二人だからサッカーが楽しい【後編】

姉の福田ゆい選手(左)、妹の福田まい選手(右)

 

 双子のプロサッカー選手、マイナビ仙台レディースのMF福田ゆい選手、GK福田まい選手。彼女たちが子供の頃に蒔いたサッカーの種は、高校卒業後、それぞれの進路で大きく枝を広げていきます。異なる個性を持つ二人が、再び同じ道を歩み、WEリーグ初代女王を目指していきます。

 

―高校卒業はお二人にとって一つの分岐点。ゆいさんはなでしこリーグ1部「INAC神戸レオネッサ」へ入団。まいさんは日本体育大学に入学し、なでしこリーグ2部(当時)の日体大FIELDS横浜でプレーすることになりました。当時のそれぞれの決断を振り返るとどのような思いがありましたか?

まい:「実は、元々大学に行く気満々だったのは、ゆいなんですよ。でもINACの練習に参加して、終わった後にすぐ電話が来て『もうINACに決めた!』って。えー?って驚きました」

ゆい:「いろんな選択肢がある中で、将来のことも考えて大学進学を考えていたんです。でもINACに行った瞬間に……」

まい:「大学って、どの口が言っとったんやって感じですよ(笑)」

ゆい:「INACの練習で、自分が知らないスピード感を見せつけられて、できないことしかなかったんですけど、ここでやりたい!と思いました。(杉田)妃和さんがいたというのもあったんですけど」

―まいさんは日本体育大学に進学しました。

まい:「そうなんですよ。今となってみれば良かったなと思います。最初は自分も大学ではなく、なでしこリーグでプレーしたいと思っていたので、悔しさもあったんです。でも、4年間自分のペースでサッカーができたし良かったです。卒業式は3月15日でした。出られなかったですけどね。七五三の着物の写真を友達の写真に合成して…。成人式もインカレで出られなくて振袖の写真もないんです(笑)」

―大学生活の一番の収穫はどんなことでしたか?

まい:「2018年、2年生の時に、小嶺(栄二氏・2019年逝去)さんに出会えたことが一番かなと思います。サッカーのプレーに対してよくディスカッションをしてくれました。『自分はこう思うんですけど…』『それもあるけど、こっちもあるよな』って。小嶺監督とサッカーの話をするのがめちゃくちゃ楽しかったです」

 

 2017年には、なでしこリーグ1部の新人賞を受賞したゆい選手。優れた指導者との出会いでサッカーへの理解を深め、喜びを感じたまい選手。それぞれがお互いに刺激を受けながら、高め合って成長してきました。

福田姉妹

お互いの声は聞こえている。まいは力強くゴールを守り、ゆいはピッチ中央で躍動する

―離れていた期間はお互いのことはどう見ていましたか?

ゆい:「友達みたいな感じです。悩みも相談したし、何でも喋れる相手です。しょうもないことを話したり……。サッカーのことで言うと、なでしこリーグはYouTubeに試合映像もアップされているので、私のプレーを見てくれてアドバイスをくれました」

まい:「なでしこリーグ1年目のゆいの活躍は知っていたし、それがいい刺激になって、私も頑張ろうって思えましたね。ポジションは違いますけど、ライバルみたいな感じですね」

ご提供:福田選手

―昨年、マイナビベガルタ仙台レディースには池尻凪沙(今季からノジマステラ神奈川相模原)・茉由姉妹もいましたし、有町紗央里さん(現マイナビ仙台レディースユースコーチ)も双子です。女子サッカー界には双子が多いのでしょうか?

ゆい:「えー?どうだろう……」

まい:「二人だとボールを蹴り合えるし……」

ゆい:「やっぱり一人じゃないって言うのはデカいよね」

福田姉妹

―プロのサッカー選手としてWEリーグを戦っていきます。プロになったという実感はありますか?

ゆい:「サッカーを仕事としてできるということは当たり前のことではないです。この環境に甘えることなく、自覚や責任を持ってやらなきゃいけないですね。去年1年は社会に出て仕事をしてからサッカーという生活も充実していました。今はサッカーだけなので、自分にかけられる時間が増えたので、過ごし方も考えるようになりました」

まい:「学生の時は、金銭面も両親に頼っていました。(学生時代は)栄養的に『こういうものを食べたいな』と思っても我慢したり……。今はプロとして体のことも考えて、そういうところにお金をかけられるようになった。自己投資ができるというのはとても大きいことだと思います」

福田まい選手

―今年から加入したまいさん。マイナビ仙台レディースはどんなチームだと感じますか?

まい:「みんな優しいです。片づけや準備も、年下の選手がするのではなく、全員でする。ベテラン選手は引っ張ってくれるけれど、みんな優しくて一緒に準備や片づけをしてくれる。良いチームだと思います。みんなしゃべりやすいです。いろんな選手とまんべんなく話しますね」

福田ゆい選手

―ゆいさんが感じる去年のチームとの違いはどんなところですか?

ゆい:「みんなの明るさや雰囲気の良さは去年と変わらず、継続しています。サッカーに充てられる時間が増えた分、練習の質が上がり、いい影響が出ていると感じます。監督が代わってサッカーが変わるのは当然なんですけど、みんなを見ているとケアに充てる時間が長くなっていますね。仕事と両立しているときは、時間がなかったというところもあった。自分にかけられる時間が増えていますね」

―WEリーグ開幕は9月。4月にはプレシーズンマッチも開催されます。開幕までに高めていきたいことはどんなことですか?

ゆい:「松田(岳夫)監督の求めるプレーができるようになること。そして全員で戦って勝てるチームになりたいです。開幕の9月までに。そして開幕戦に、まいと二人で出られるように。そこは本当に頑張りたいです」

まい:「まずは焦らずに、基礎の土台を大きくしていきたいです」

福田姉妹

―このチームで、二人で成し遂げたいことはどんなことですか?

ゆい:「目標はチームのリーグ優勝です。そこに向かって、二人でしっかりチームの優勝につなげられるプレーをしていきたいです」

まい:「リーグを戦っていく上で、全勝できればいいですけどそれは難しいと思うので、もし負けてしまった試合でも持ち前の明るさで下を向かず、前を向いて行ける。そういうチームにしていきたいです」

 

 福田姉妹のいるところにはいつも明るい笑い声が響きます。開幕スタメン、そしてWEリーグ優勝を目指して、切磋琢磨し未来に向かっていく二人の新しい日々は始まったばかりです。

 

【福田ゆい選手 プロフィール】

1998月5月20日生まれ。愛知県津島市出身。双子の妹・まいと共に幼稚園年長から地元少年団でサッカーを始めた。2014年に姉妹揃って藤枝順心高等学校へ進学。2年生で全日本高等学校女子サッカー選手権大会優勝、主将を務めた3年生時には高校総体を制し、2度の全国制覇に貢献した。2017年、INAC神戸レオネッサに入団し、なでしこリーグ1部の新人賞を受賞した。2020年、マイナビベガルタ仙台レディースに加入。2021年、マイナビ仙台レディースでプロサッカー選手としてWEリーグに挑む。左足から繰り出される正確なキック、一本で局面を変えられるフィードが魅力。

 

【福田まい選手 プロフィール】

1998月5月20日生まれ。愛知県津島市出身。双子の姉・ゆいと共に幼稚園年長から地元少年団でサッカーを始めた。2014年に姉妹揃って藤枝順心高等学校へ進学。2年生で全日本高等学校女子サッカー選手権大会優勝、3年生時には高校総体を制し、2度の全国制覇に力を尽くした。2017年、日本体育大学に進学。なでしこリーグ2部の日体大FIELDS横浜でプレーし、同チームのなでしこリーグ1部昇格に貢献する。2021年3月、日本体育大学を卒業。マイナビ仙台レディースに加入し、プロサッカー選手としてWEリーグ初代女王を目指す。守備範囲が広く、良く通る声で味方へ的確なコーチングができるGK。

 

Photo by 土田有里子

村林いづみ
村林いづみ

フリーアナウンサー、スポーツキャスター。2004年からラジオでベガルタ仙台のトーク番組を担当し、2007年よりスカパー!や DAZNで中継リポーターを務める。ベガルタ仙台レディースは2012年のチーム発足時より取材を開始。ヒーローインタビューと勝利の祝杯を何より楽しみにしている。