仙台スポーツ
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Interview

FOOTBALL

双子の福田姉妹が挑む、WEリーグ初代女王への道。二人だからサッカーが楽しい【前編】

双子のWEリーガー。左が姉のMF福田ゆい選手、右が妹のGK福田まい選手


杜の都に最強の双子が揃いました。マイナビ仙台レディースMF福田ゆい選手、GK福田まい選手です。1年早く2020年からマイナビベガルタ仙台レディースでプレーしていた姉・ゆい選手。今春、日本体育大学を卒業し仙台へとやってきた妹・まい選手。性格もポジションも全く異なる二卵性双生児が、4年ぶりにチームメートとなりました。共にプロサッカー選手として挑むWEリーグ元年に、二人のこれまでとこれからを語って頂きました。(全2回)

 

―それでは初めに、お互いを紹介してください。

ゆい:「はい。まいは普段からすごく明るくて、ポジティブ。料理が上手なので、いつも家では美味しい料理を作ってくれます。煮込みハンバーグとカレーが好きですね。まいだからこそ、自分に対して言ってくれることがあるので、そういう面ではいつもいろんなことに気づかせてくれるし、助けてくれる存在です。サッカーのプレーのこともそうですし、自分が見えていないところを指摘してくれます」

まい:「元気で、基本的にどんなことでも楽しんでやれるタイプですね。しんどいことでも楽しんでやっていて、みんなに気が遣えて、優しいです」

ゆい:「それだけ?」

まい:「(笑)」

二人はいつも隣同士。左がまい、右がゆい。(福田選手ご提供)

―お二人は本当に仲良しなんですよね。小さい頃から仲良しでした?

二人:(同時に首を横に振る)

まい:「(特に仲が良くなったのは)離れてからです。高校で寮生活が始まり、家を離れて少し仲良くなって、高校卒業して(それぞれの進路に進んで)更に仲良くなったかな」

ゆい:「小さい頃はケンカしましたよ」

まい:「なんでケンカしてたっけね?」

ゆい:「そんな、めっちゃしてたわけじゃないですけど……」

まい:「ゆいはお母さんを味方につける派でした(笑)」

ゆい:「いい子ぶってました(笑)お母さんに。まいはそうではなくて、立ち向かっていくタイプ」

まい:「同じことをやっても、ゆいは許され、まいは怒られる……」

ゆい:「怒られるのが嫌いで、親に媚びを売っていました(笑)悪いことしても、どう怒られないようにするかを考えていました」

まい:「良く言うと、八方美人」

福田ゆい選手

プレーの随所に高いテクニックを見せるゆい選手

福田まい選手

GK練習中も、まい選手の声はピッチ中に大きく響き渡る

―今年から同じチームでプレーすることになりました。仙台での2人暮らしも始まりましたね。

ゆい:「高校以来、4年ぶりに一緒のチームでプレーできるのは心強いです。去年は一人暮らしだったんですけど、今は日常でサッカーの会話もしていて、その分、学ぶことが多いですね。違う考えを日頃から聞けるのでありがたいです」

まい:「一緒にプレーすることについては、サッカーの話が普段からできるので楽しいです。でもオフの部分だと、自分、インドア派だったんですよ。オフの日は基本的に家で過ごしていたけれど、今は毎週ゆいに連れ出されていて……。今度、ゆいが一人で出かけるみたいなので、私は家にいようかなと(笑)もう、ちょっと疲れちゃって。練習の疲れを取りたい時に、ゆいはアクティブに過ごして疲れを取れる人。私は、オフには、普通に家でご飯を食べて、ストレッチして、お風呂入って、本を読んで一日が終わります。たまに何か観たりはしますけど」

―サッカーを始めたのは幼稚園の年長の時。同時に始めたんですよね。

ゆい:「そうです。お兄ちゃんがサッカーをやっていて……」

まい:「女の子の友達も誘ってきてくれて」

ゆい:「ちょうど興味もあったので、やろうということになりました」

まい:「ゆいは最初からハマっていましたね。私は最初、別に……という感じだったんですけど。ゆいはリフティングも上手かったよね」

ゆい:「学校に行く前に、お父さんにボール投げてもらって練習しました」

まい:「でも、まいは『もう寝たい……』とか言っていました。ゆいの方が熱心だったね」

―最初から今と同じポジションでしたか?

まい:「小学校まではDFをやっていました。GKは中学校1年生からですね。中学校に上がる時にGKの子がやめてしまって。フットサルでGKをかじっていたこともあったし、身長も高かったので『お前だろう!』と」

ゆい:「最初はFWでした。でも私の方がGKに憧れていたんです。でも小さかったのでダメと言われましたね。楢崎正剛さんが大好きで憧れていたので、GKになりたかったですけど、まいとも身長差が結構ありましたね」

―女子サッカーの強豪校、静岡県の藤枝順心高等学校に進学し、選手権やインターハイでも優勝を経験しました。高校時代はどんな思い出がありましたか。

ゆい:「順心の朝はとにかく早い。4時、4時半起きがしんどかったです。5時過ぎには寮を出て朝練をしていました。授業の着席時間も8時前だったので、朝の早さは独特でしたね。もう今はできないですね。礼儀作法に厳しい学校で、畳の部屋で礼法の授業があったのは、学びになりました。茶道の作法もありました。あと、割烹着で掃除をしていました。私は大学進学クラスに通っていましたが、勉強は何とか、何とかでしたね……」

まい:「私は調理科クラスに通っていたのでめちゃくちゃ楽しかったですね。(調理科では)サッカー部は、自分の学年では一人だけで、他の部活の子とも仲良くなれました。授業の時はサッカーのことを全く考えずに楽しんでしました。調理実習もありましたね。基本的な料理ならなんでも作れます。調理師免許も持っています。栄養学や衛生学の授業もありました」

福田選手ご提供

―その藤枝順心高校の2年先輩の杉田妃和選手(INAC神戸レオネッサ)、お二人ともに「憧れの人」なんですよね。

ゆい:「サッカーもそうですけど、オフの時の人間性ですね。妃和さんは人としても素晴らしい。高校で寮生活をしていたんですが、そこでオフの部分が見えて尊敬しています。初めて会った時、妃和さんは一人で寮の掃除をしていたんです。誰もいない、見ていない時にそういうことができる。しかもU-17のワールドカップで日本が初優勝していて(※注 2014年コスタリカ大会。日本は決勝でスペインを下し、大会初優勝を飾った)、その後に自分たちは妃和さんに会ったので、こういう人がMVPを獲るんだなぁと。第一印象からすごかったです」

まい:「本当にかっこいい(笑)高校1年生の時に『試合に出られない人の気持ちも考えてプレーした方がいい』と教えられ、オフの面でもたくさん学びました。」

―ゆいさんは、杉田選手とはINACでも一緒にプレーしました。

ゆい:「妃和さんが高校を卒業した時に、『もう一度妃和さんとプレーをする』という目標を立てていました。高卒のタイミングで、大学進学など他の選択肢があった中で、INACに行けるとなり、迷いはなかったですね。一緒にプレーして、自分が高校2、3年で過ごした2年間と、妃和さんが卒業後に過ごしたINACでの2年間の違いを見せつけられました。日の丸を背負う選手なので学ぶことは多かったです」

福田姉妹

 学びの多かった高校時代を経て、18歳の福田姉妹は、なでしこリーグ、大学進学とそれぞれの道へ歩み出します。(続く)

 

【福田ゆい選手 プロフィール】

1998月5月20日生まれ。愛知県津島市出身。双子の妹・まいと共に幼稚園年長から地元少年団でサッカーを始めた。2014年に姉妹揃って藤枝順心高等学校へ進学。2年生で全日本高等学校女子サッカー選手権大会優勝、主将を務めた3年生時には高校総体を制し、2度の全国制覇に貢献した。2017年、INAC神戸レオネッサに入団し、なでしこリーグ1部の新人賞を受賞した。2020年、マイナビベガルタ仙台レディースに加入。2021年、マイナビ仙台レディースでプロサッカー選手としてWEリーグに挑む。左足から繰り出される正確なキック、一本で局面を変えられるフィードが魅力。


【福田まい選手 プロフィール】

1998月5月20日生まれ。愛知県津島市出身。双子の姉・ゆいと共に幼稚園年長から地元少年団でサッカーを始めた。2014年に姉妹揃って藤枝順心高等学校へ進学。2年生で全日本高等学校女子サッカー選手権大会優勝、3年生時には高校総体を制し、2度の全国制覇に力を尽くした。2017年、日本体育大学に進学。なでしこリーグ2部の日体大FIELDS横浜でプレーし、同チームのなでしこリーグ1部昇格に貢献する。2021年3月、日本体育大学を卒業。マイナビ仙台レディースに加入し、プロサッカー選手としてWEリーグ初代女王を目指す。守備範囲が広く、良く通る声で味方へ的確なコーチングができるGK。

 

Photo by 土田有里子

村林いづみ
村林いづみ

フリーアナウンサー、スポーツキャスター。2004年からラジオでベガルタ仙台のトーク番組を担当し、2007年よりスカパー!や DAZNで中継リポーターを務める。ベガルタ仙台レディースは2012年のチーム発足時より取材を開始。ヒーローインタビューと勝利の祝杯を何より楽しみにしている。