仙台スポーツ
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楽天・田中将大投手 入団会見の一問一答 「もうワクワクが抑えられていない状態」

8年ぶりに楽天に復帰した田中将大投手の入団会見が1月30日に行われました。楽天への復帰の理由や日本一への強い意気込み、被災地への思いなどについて語りました。

会見の様子は、田中投手の公式YouTubeチャンネルにてアーカイブが配信中。
マー君チャンネル 田中将大「田中将大 入団会見 生配信」

 

会見での田中投手の一問一答は次の通り。

―今回の入団について

まずは春季キャンプ前の忙しい中、このような場を設けていただき、本当にありがとうございます。この度、楽天イーグルスに入団することになりました。

7年前、メジャーリーグに挑戦するときに快く送り出してくれて、そしてまたあたたかく楽天イーグルスに迎え入れてくださった三木谷オーナーには、本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

そして、立花社長には、毎年、「仙台の施設などをいつでも好きなように使ってくれ」と言っていただき、本当にいつもあたかいサポートをしていただきました。表立ってはわからないんですけど、裏ではちょっと口も悪い社長ですけども(笑)、本当にいつも感謝しています。ありがとうございます。

そして、石井GM兼監督には、今回、本当に僕の気持ちにも寄り添っていただいて、「田中選手が必要なんです、その力が必要なんです」と言っていただけて、本当に選手としてありがたい評価をしていただけたなと思っています。ありがとうございます。

今シーズン、震災から10年という年で、自分が初めてフリーエージェントになってチームを選べる立場にあったわけですが、その中でこの10年という数字は、なにか自分にとって意味のあるタイミングなんじゃないかなと思ったので、今回、このような決断にいたりました。

―8年ぶりの楽天復帰ということになりましたが、率直に今の心境を教えてください。

とてもワクワクしています。また皆さんの前でマウンドに上がって投げられる、日本の野球ファンの方々の前で投げられるというところに、もうワクワクが抑えられていない状態ですね。そしてまた、7年離れていたので、成長した姿というものをお見せすることができたらいいなと思っています。

―FAになって、楽天というチームを選んだ一番の決め手となったところを教えてください。

自分自身、フリーエージェントになったタイミングでは、正直な話をしますと、ヤンキースと再契約して、まだプレイがしたいという思いはありました。しかし、かなり早い段階で、お話を代理人を通じて聞いている中で、もう別々の道を歩んでいかなければいけないんだなというように感じましたので、それ以降、本当、様々なことを考えましたし、日本も含めてですけど、本当に今まで考えたこともないぐらい考えて、悩んで悩んで悩み抜きましたが、一番はやはり自分がどういう野球をしたいのか、どういう環境の中で野球がしたいのかということが一番だったので、これから色々とアメリカの方からもどういうオファーが実はあったというようなお話は出てくると思うんですけど、この厳しいコロナ禍のなかで、世界中が厳しいこの状況の中でも、やはり7年間、向こうでプレイしたことをものすごく評価していただき、大きなオファーというものもありました。ですが、その中でも自分はこのイーグルスでプレイをしてまた日本の方々の前で投げるということを、そこを上回るものというものは最後までなかったので、こういう決断にいたりました。

―7年前、楽天を離れたときに、いつかこういう日が来るというような予感というか、希望は持ってらっしゃいましたか。

このことについても何か少しでも言うと、誤解を招いたり、そういう話題が一人歩きするのは嫌だったので、頑なに答えてはこなかったんですけども、大前提として、楽天イーグルスからオファーをいただけなければ、自分が戻りたくても戻れないので、そこは一番ではありますけども、また必ず日本に帰ってきて、楽天イーグルスでまた、キャリアの晩年ではなくて、どこかいいタイミングで、また日本でバリバリと投げたいなという思いははじめからありました。

―背番号18番を8年ぶりにつける心情を教えてください。

やはり18番という番号をつけて、プロの野球選手としてキャリアをスタートしているわけですし、18番というとエースナンバーというイメージがものすごくあるので、ただ自分が以前、背負っていたからつけるというだけではなくて、結果であったり、姿であったりでそういうところを示していけたらなと思っております。

―2年契約を選ばれたお考えを教えてください。

2年という契約にはなっておりますけど、1年終わった段階でまた球団の方とお話をさせていただくという機会は設けていただいておりますので、どうなるのか自分の中でもわかりませんが、とにかく、まだアメリカでやり残したことがあると自分では思っているので、そこに関しての自分の中での選択肢、オプションというものは完全に捨て去りたくなかったので、このような契約をしていただきましたが、決して腰掛けなどではなく、本気で日本一を取りにいきたい、イーグルスでプレイしたいと心から思ってのこの決断なので、そこは生半可な気持ちではどこの世界でも成功することはできないと思うので、しっかりとまずは今シーズン、全力で戦いたいと思っております。

―東京オリンピックについてのお考えを教えてください。

正直、2020年、オリンピック開催でしたので、もう自分は出られない立場にあった中で、延期になって、日本球界に帰ってきて、出るチャンスがあるということなので、これはもう心から、選ばれたならもちろん僕は断る理由なんてないですし、出たいと思っています。前回、北京オリンピック出ましたけど、悔しい思いをして終わっているので、野球がオリンピック競技からまたなくなってしまうという状況なので、自国開催ですし、金メダル獲りたいなとは思っています。

―チームへの合流までの期間、自主トレーニングではどのようなところを重点的にトレーニングしていきたいと思いますか?

自分の中で、ボールにしてもそうですし、マウンドにしてもそうですし、アジャストしていかなきゃいけない部分っていうのはたくさんあると思うので、そういった部分色々なことを想定しながら、生活もそうですし、練習もしていければなと思っています。

―田中投手はメジャーに移籍してからも、度々被災地を訪れていらっしゃいました。今年震災10年という節目の年です。被災地の皆さんに田中投手のどんな姿を見て欲しい、そういった思いありましたら、教えてください。

今でも一緒になって頑張りたいという気持ちはもちろん変わらずありますし、また、今まで以上に近くにいられることで、僕に何かできることがたくさんあるかもしれないので、できる限り協力していきたいですし、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っているので、まずは球場のマウンドでいい姿を見ていただけるように変わらず努力していかないとなと思っています。

―パリーグで特に対戦を楽しみにしているバッターを教えてください。

7年離れていて、いない間に、たくさんいいバッターが出てきていると思うので、誰か個人名を挙げるっていうのはちょっとわからないんですけど、でもいい選手がたくさんいるという認識ではいるので、そういった選手との対戦はものすごく楽しみです。

―先日、柳田選手(ソフトバンク)が、「田中投手との対戦はイヤです」と答える場面がありましたが、それについていかがでしょうか。

柳田選手は同級生なんですけど、その記事とかにも書いてあったんですけど、お話したことないんですよね。対戦もあるんですけど、2013年は5割打たれていますし、まあリップサービスじゃないですか(笑)

―田中投手も石井監督も野村克也さんのもとでプロ野球人生を始められました。今回、石井監督のもとでプレイをするということに関して縁を感じていらっしゃいますか。

正直、考えていなかったですね、すいません(笑)日米と両方を経験されている、しかも同じポジションの投手ということで、調整していく段階で、何かうまくいかないこととかも、出てくると思うので、その時は頼りにして、色々とアドバイスをいただきたいなと思っています。よろしくお願いします。

―8年前、渡米する直前に、野村克也さんとキャッチボールをしたこと覚えてますか?

覚えてます。

―再び日本でプレイすることになり、あのときを振り返って、どんな思いがありますでしょうか。

あのとき最後に、日本での最後の一球を受けていただいて、野村監督のもとで僕のプロのキャリアというものがスタートしたので、すごく自分の中でも感慨深いものというのがありました。

―野村さんからの教えを今でも心に残っているものは。

とにかく投手は原点能力が大事だと教えられていたので、そこは今までも一番そうですしし、これからも打者の内角低めにしっかりと投げていくという練習を一番していくと思うので、これからも胸に刻み続けながら、しっかりとやっていきたいと思います。

―田中投手、おかえりなさい。

ありがとうございます。

―2013年の感動がファンの中では深く心に残っているわけですけど、田中投手はその後、7年間、あの2013年を超える興奮だったり、やりがいだったり感じる瞬間はありましたでしょうか。

舞台が違うので、単純に比べることはできないですけど、同じようにそういうふうな興奮だったり、やりがいっていうものを感じた年はありました。ですけども、そこは単純に比べる、どっちがどうと比べるものでは自分の中ではなくて、自分の野球人生の中で、大きな出来事であるのは間違い無いです。アメリカに渡って7年間プレイしてましたけど、毎年、登板前に自分のモチベーションというか、集中力をあげてゲームに入っていくという前に見るビデオがあるんですけど、7年間ずっとその日本一の瞬間っていう部分は入れていただいて、毎試合、それを見てゲームに入ってたので、そういうところからもご理解いただけたらなと思います。

―復帰に関して、野村監督、星野監督にどのように報告したいですか。

「また帰ってきました」ということと、やはりシーズン後には「日本一になりました」というご報告をすることができたら一番いいかなと自分の中では思っております。

―メジャーのデータやITの活用について、田中投手が驚かれたことや学ばれたこと、日本の球界との違いは?

答える前に言っておきたいのが、僕の中では7年前で日本野球界のことは止まっているんで、今はどうかというのは僕も100%わからないんですけども、とにかく、データは量はものすごかったですし、とにかくそこを活用してやっていくというのは投打両方あったと思います。僕自身、2017年を迎えるまでは、ざっくりとしたデータはいただいて、それを活用しながらも、実際は投げながら相手の打者がどういう反応をするかとか、どういうボールを待っているのか観察しながら投げていたんですけど、2017年を境に、自分の中でなかなか結果が出ない時期が長くて、苦しんだ年でもあったんですけど、その中でもっとデータをもう少し細かく深く見てみようとなり、そこから結構、そういうところも重視しながら投球するようになりました。

―こだわりたいタイトルや数字というものがあれば、教えてください。

こだわりたいタイトルは日本一です。いい投球をしていれば、数字は自ずとついてくると思いますけど、正直、2013年で皆さんのその印象というものが止まっている部分というのはあると思うので、すごく求められている部分、ハードルというものは高いと思っておりますけども、そこもまた、飛び越えてやろうというのも自分の中でのやりがいの一つもですし、一試合でも多く、チームに勝利をもたらす投球ができればなと思います。

―気持ちを切り替えさせたものは?

100%自分の中では、今、日本一になるということ以外本当に全然考えてないんですけども、事実としてやはりワールドシリーズ出て、チャンピオンリングを手にしてないということは、やはり当初そこを目標にしてプレイしてきていたので、そこはやり残した部分だと思っていますけど、自分の野球人生がこの先どうなるかというのもわからないですし、もうチームを決める段階で、切り替えがどうとかという作業は自分の中では必要なかったですかね。自然とそういう風に、そういう風な気持ちになりました。

Photo by KYODO NEWS