
川崎発、日体大経由のドリブラー大曽根広汰 活きの良いルーキーは誰よりも多く走り、チャンスを生み出す【前編】
Interview
FOOTBALL
(提供:ベガルタ仙台)
大阪生まれ、大阪育ちのサッカーエリートだった内田裕斗選手がプロで初めてぶつかった大きな壁。それを乗り越え成長を遂げた徳島での日々。味わった悔しさや培った経験を糧に、今、内田選手はベガルタ仙台のJ1復帰へ力を注いでいます。「仲間と共に」と今季に懸ける強い思いや趣味の「温泉」についても語って頂きました。
―高校を卒業して、ガンバ大阪でユースからトップチームに昇格するも、メンバーに入れない日々が続きました。その先にあったのが、思い出深い徳島ヴォルティスでの日々だったんですね。
「プロになって全く活躍できず、その1年で『このままではサッカー選手として終わる』と思いました。このままで、ここにおったらあかんなと。そんな時にオファーを頂いて、徳島へ行きました」
―5年間を過ごした徳島では主力として活躍しましたね。大きな自信を取り戻すことができたのではないですか?
「徳島での1年目は、右サイドハーフで試合に出ていました。その次の年は、左のワイドをやっていて、今思えばいろんなポジションをやらせてもらったなって思います。本当に監督に恵まれて、チームとの出会いもそうですけど、監督との出会いも大きかったですね。チームのために頑張ろうと強く思えた時期でした」
名将との出会いによって磨かれた技術と精神。その全てが今の内田選手を支えている
―一番印象に残っている監督はどなたですか?
「全員、良い出会いでしたし、素晴らしい監督でした。でもその中で自分のサッカー人生のきっかけを作ってくれたのは、小林伸二監督と、リカルド・ロドリゲス監督です」
―それぞれどういうことを授けてもらったと思いますか?
「小林伸二監督は、19歳で試合に使ってもらいました。常にいろいろ気にかけて、話しかけてくれたので『この人のために頑張りたいな』って強く思えました。リカルドに関してはもう、プレーの全てを教わったというか、サッカー選手としてのプレースタイルを確立してくれた監督だと思います。人間性が素晴らしいので『リカ(リカルド監督の愛称)こと嫌いな人、おらんちゃうの?』というくらい良い方です。試合メンバーもベンチ外の選手も、チームのみんなで戦ってみんなで勝つんだということを日頃から口に出して言ってくれるので、チームの一体感もすごかったです」
仙台の一員として、ユアスタのピッチに立つ。勝利への執念を強く示す(提供:ベガルタ仙台)
―その後のサガン鳥栖での2年間は、梁勇基選手と一緒でした。仙台に加入のタイミングも一緒でしたね。
「そうですね。鳥栖時代から仲良くさせてもらっていました。鳥栖では一昨年は試合に出ていましたけど、去年全然試合に出れなくて……。その時に梁さんがよく声をかけてくれました。一緒にジョグしたり、昼ご飯行ったりしていました」
―仙台への移籍はどのように決断したのですか?
「昨シーズンが終わった次の日にオファーを頂きました。即『行きます』と返事をしました」
―原崎政人監督からの熱烈オファーがあったんですよね。
「熱烈だったかはわからないですけど(笑)Zoomでお話をしました。その時に、『仙台は常にチームのみんなで勝ちに行くというスタイルだ』と教えてくれました。そういう言葉を聞いたからこそ、もし、自分が試合に出られなかったとしても『このチームに来て良かったな』と思えたのかもしれないです」
―去年、なかなか試合に出られなかった時期を過ごしました。それでも、この仙台で出番を得て結果を出し、チームの勝利にために貢献していますね。
「いや、原(崎)さんはもっと俺が活躍することを期待してオファーをくれたと思うので、もっともっと活躍できるように練習からしっかりやるだけです」
仙台に迎えてくれた原崎監督の期待に応えたい。更なるレベルアップを目指す(提供:ベガルタ仙台)
―少しプライベートのお話も。趣味は「温泉」という内田選手。仙台には良い温泉もたくさんありますが、コロナ禍の影響もありますし、なかなか湯巡りもできないですよね……。
「そうですね。仙台ではまだ、あんまり行けていないですね。温泉も好きなんですけど、まず単純にお風呂が好きなんですよ。温泉込みのお風呂が好きという感じです」
―結構、長風呂派ですか?
「そうですね。特に交代浴が好きなんですよ。なので、交代浴用の大きなバケツみたいなものがあるんですけど、それを風呂場に置いて水風呂にしています。浴槽にはお湯を入れて、毎日交互に入って交代浴をしています」
―ご自宅に水風呂用の設備があるんですか?
「はい。そこに湯舟と水風呂に5分ずつ入って交代浴をしています。それもコロナ禍の影響で、本当なら温泉にも出かけたいんですが、万が一のことがあるとチームに迷惑をかけてしまうので、自宅で始めました」
―コロナウイルスの影響を受ける前はいろいろ温泉にも出かけられたと思うのですが、おすすめの温泉はありますか?
「徳島の頃は、クラブハウスの近くに温泉があってよくしてもらいました。あせび温泉(徳島県板野町、アルカリ性硫黄泉質)というところですね」
―泉質のこだわりはありますか?
「いや、温かいお湯と冷たいお風呂があれば、もう満足です(笑)」
―水風呂が好きということは、内田選手はサウナにもはまりそうですね。
「サウナは去年くらいから入り始めました。本当にサウナにはまっている人は3セット位入ると思うんですが、僕はだいたい1セット位ですね
徳島時代に結んだサポーターとの絆。仙台でもサポーターとたくさんの喜びを分かち合いたい
―そして、内田選手と言えば、勝利の試合後に行う「インスタライブ」がサポーターにも好評です。どのようにして始めたのですか?
「あれも徳島時代からですね。ホンマにサポーターと仲が良かったので、やり始めて、今も続けているという感じです」
―結構いろんな反応があると思うんですけど仙台のサポーターからの反応を見て、どんなふうに感じてますか?
「試合が終わってすぐの様子だから、サポーターの人も選手の表情が見られてちょっと嬉しいんじゃないかなと思っています。今は、コロナ禍で練習を見てもらう機会もないので、ちょっとでも選手の素の姿を届けられたらなぁと」
―それがまさに大好評で、本当にみんな喜んでいますね。
「そうですね。でも僕が全然ゴールを取ってない時も、『うっちー(内田選手の愛称)ナイスゴール!』みたいなコメントをしてくれる方はいます(笑)」
―できれば、それはゴールを取った時に言って欲しいですね(笑)選手とサポーターをつなぐ大事な交流の場、ぜひ続けて欲しいですね。さて6月は今一つ結果が出ないという試合が続きましたが、ここからは大事な夏場の戦いに入っていきます。どんな風に戦って、ご自身の目標達成させたいと考えていますか?
「もうシーズンは半分終わってしまいましたが、ここからも変わらず総力戦でやって行きたいですし、やっぱ試合で勝つためにはもう練習あるのみと思います。チームみんなで一緒の方向を向いて、試合出てる出てない関係なくチームの勝利に貢献できるようにしていきたいです。
あとは、個人としては数字、ゴールとアシストの数字にこだわっていきたいですし、守備は無失点にこだわる。最後にはみんなで喜び合いたいなと思います」
―ありがとうございます。質問は以上なのですが、サポーターへ、これだけは伝えておきたいということはありますか?
「優勝しましょう!」(完)
フリーアナウンサー、スポーツキャスター。2004年からラジオでベガルタ仙台のトーク番組を担当し、2007年よりスカパー!や DAZNで中継リポーターを務める。ベガルタ仙台レディースは2012年のチーム発足時より取材を開始。ヒーローインタビューと勝利の祝杯を何より楽しみにしている。