
仙台育英学園高校陸上競技部 米澤奈々香選手インタビュー(前編)長距離は「気持ち」が大事。3年間の集大成に挑む、国内屈指の女子高生ランナー
Interview
SWIMMING
2021年8月に千葉県で行われた全国中学校水泳競技大会において、女子200m背泳ぎで3位入賞を果たした仙台白百合学園中学校3年の森崎安加里選手。長身を生かしたダイナミックな泳ぎを武器に、中学3年間で大きな成長を遂げました。後編では、普段の学校生活や、オフの過ごし方、プライベートでの趣味など、1人の女子中学生としての素顔に迫ります。
―普段はどのようなスケジュールで活動されているのですか?
「平日は学校から帰ってきた後、食事をとってから練習に向かいます。練習が終わって家に帰ってからは、お風呂に入って、そのまま寝るという流れですね。ちなみに平日は火曜から木曜がクラブの練習としてあって、金曜は自主練習、月曜はプールが休館日なのでオフになります。また週末は、土曜は8時からの朝練習と17時からの午後練習があって、日曜は朝練習のみになります。平均すると、1日に4~5kmは泳いでいるかと思います」
―月曜以外は毎日泳いでいるんですね。学校生活との両立は大変じゃないですか?
「授業中に眠たくなっちゃうときもあるんですけど、学校は学校でとても楽しいです。楽しい1日が毎日続いているような感覚です」
―学校ではどんな時間が楽しいですか?
「やっぱり休み時間に友達といろいろお話をするのが、いちばんの楽しみですね。最近流行っていることを話したり、水泳についても試合の次の日とかは『どうだった?』ってみんな聞いてくれるので、その結果を話したりしています。ちなみに好きな教科は体育で、テニスなど球技も得意なほうかなという自信があります。ただ、走るのは遅いのですが……(笑)」
―周りの友達から応援されることも多いのではないですか?
「うれしいことに、学校の友達もたくさん応援してくれます。昨年の全中のときなんかは、前日の夜や当日の朝に、『安加里ちゃん頑張ってね!』ってみんながわざわざLINEを送ってくれて、それで背中をすごい押してもらえたし、だいぶ緊張もほぐれました。また、学校の先生方もいつも応援してくださるので、すごくありがたいですね」
―プライベートの時間は、どのようなことをして過ごされていますか?
「練習で忙しいので、友達と遊ぶような時間はほとんどありません。平日はいつも夜8時ぐらいまで練習しているのですが、帰ってきてお風呂でゆっくりする時間がいちばん楽しいですね。あと、1人でいる時間は、YouTubeを観たり、音楽を聞いたりしています。よく観るYouTuberは平成フラミンゴさんやコムドットさんで、あとはオリンピック選手の泳ぎを動画で研究しています。音楽はBTSさんがすごい好きで、よく聴いています」
―ハードな練習をされていることでしょうし、オンとオフの切り替えは大変じゃないでしょうか?
「オフの時間もずっと水泳のことばかり考えているので、そこまで大変ではありません(笑)。ただ、日曜の午後は練習も学校もなくゆっくり休めるので、何もせずにぐったりするときもありますし、家族とご飯を食べに行って気持ちをリフレッシュすることもあります」
―家族のサポートはどのように感じていますか?
「実は数年前、家をリフォームすることになったのですが、そのときに家の中にトレーニング施設を作ってもらいました。そこにうんていを置いたり、バランスボールを置いたりして、いつでもトレーニングできる環境が整っています。そうしたサポートはすごくありがたいし、期待をプレッシャーに感じることなく、背中を押してもらえると常にプラスに捉えるようにしています。私の中で親の存在は、頑張ろうと思える源になっているので、水泳を続けていく以上、やっぱり結果で恩返ししたいです」
―年末年始は、所属しているルネサンスの強化合宿に参加されました。どのようなことを吸収できましたか?
「年末と年始でそれぞれ別の合宿だったのですが、年末に行われた強化合宿は、全国から選手が集まる強化合宿で、憧れの池江璃花子選手とも一緒に練習しました。いろいろなことを学ばせていただいたのですが、特に池江選手は、すごく体が浮いていて、『スッ、スッ、スー』って滑らかに泳いでいたので、思わず見とれちゃいました(笑)。また、練習前に自分の体と向き合う時間を作っていたり、食生活を含めた体づくりの部分についても多くのことを勉強させていただきました。練習中も一生懸命に取り組んでいらっしゃって、やっぱりすごいなというか、感動しましたね」
―4月からは高校生となりますが、今後の目標を教えてください。
「まずは(日本水泳連盟が設定する中学3年・高校1年200m背泳ぎの)ナショナル選手標準記録の2分14秒24を切ることが目標です。そのためには、スピードやパワーがまだまだ足りないと思っているので、腕立て伏せや腹筋など、基礎的なトレーニングも行いながら、課題を克服していきたいです。また、高校では、インターハイに出場して3年連続で表彰台に上ることを目標にしています。200mについては、今の自己ベストをあと4秒ぐらい縮めたら優勝を狙えるタイムになるので、まずはそこを目指していきたいです」
―最後に将来はどんな選手になりたいか教えてください。
「水泳選手での憧れは池江選手ですが、フィギュアスケートの羽生結弦選手も同じぐらい憧れの選手です。将来は、オリンピック選手になることが目標。そして羽生選手のように、宮城に貢献できるような選手になりたいです」
(了)
取材日=2022年1月12日
■プロフィール
森崎安加里(もりさき・あかり)◎2006年5月18日生まれ、仙台市出身。0歳から水泳を始め、仙台白百合学園小学校3年時のジュニアオリンピックで全国大会初出場。現在はルネサンス仙台南光台24に所属。自己ベストは、200m背泳ぎが2分15秒18、100m背泳ぎが1分04秒40。
Photo by 土田有里子
1992年10月14日生まれ、岩手県一関市出身。一関第一高校卒業後、仙台大学体育学部スポーツ情報マスメディア学科に進学。アルバイト等で執筆経験を積み、2015年4月より岩手県盛岡市の制作会社「(株)ライト・ア・ライト」に入社。地域限定スポーツ誌「Standard」の制作等に携わり、2019年4月よりフリーランスとして活動中。