仙台スポーツ
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FOOTBALL

合言葉は『サッカーしようよ』笑顔で発進、マイナビ仙台レディース

 2月8日、日本女子初のプロサッカーリーグである「WEリーグ」に所属する「マイナビ仙台レディース」(以下マイナビ)が新加入選手記者会見を行った。松田岳夫監督と6人の新加入選手が出席し、新しく生まれたチームでの勝利と活躍を誓った。

松田監督

 松田監督は「『日本で一番“ひと”が育つクラブ』というコンセプトの下、若い選手たちを常に優勝争いできるチームとして成長させることが私の使命。東日本大震災から10年で新たなプロチーム、皆さんに勇気、希望、感動をお届けできるようなチームを作っていきたい」と就任に際しての決意を語った。

 21~22歳の才能あふれる6人の新加入選手。宮澤ひなた、長野風花、福田まい、矢形海優の4選手は、2018年のFIFAU-20女子W杯の日本代表で、同大会の優勝メンバーでもある。次のなでしこJAPANを担う将来が楽しみな存在が仙台に集まった。

FW9 宮澤ひなた選手

FW9 宮澤ひなた選手

「スピードに乗ったドリブルやサイドからの突破を見て欲しい。憧れはネイマール選手。ライン際のプレーなど、一つのプレーで観客を魅了できる。私もたくさんの方に愛される選手になりたい」

MF11 長野風花選手

MF11 長野風花選手

「攻撃の組み立てやゲームをコントロールすることが好き。上手く賢く、誰よりも戦う姿勢をピッチで表現したい。好きな選手はシャビ。すべての技術が詰まったプレーが好きでよく映像を見ている。どんな状況でも高い技術を発揮できる選手になりたい」

DF5西澤日菜乃選手

DF5 西澤日菜乃選手

「体を張ったプレーで無失点に抑えたい。元々は中盤をやっていたので、ビルドアップやロングパスの精度を極めていきたい。憧れはセルヒオ・ラモス選手。守備では体を張り、攻撃ではセットプレーで高い打点からゴールを決める。私もビルドアップやセットプレーから点を取れる、攻撃にも関わっていくセンターバックになりたい」

MF6 原衣吹選手

MF6 原衣吹選手

「プレースタイルは常に予測をして動くタイプ。一つのポジションにとらわれず、どのようなポジションでもできる。憧れは引退してしまったスティーブン・ジェラード。ボールを止める・蹴るという技術の高さやパスの種類。一つのプレーで状況を変え、その言動でサポーターや試合の雰囲気を変えられる。サッカーはもちろん、それ以外の部分でも周りにいい影響を与えられる選手になりたい」

GK21 福田まい選手

GK21 福田まい選手

「攻撃の起点になれるようなGKになっていきたい。DFとビルドアップに参加したり、一つ奥のサイドの選手にもライナー性のボールをつけるというところを見せたい。憧れの存在はINAC神戸レオネッサのMF杉田妃和選手。ポジションは自分とは違うが、杉田選手は90分を通してゲームをコントロールできる。自分もコーチングでゲームメイクできるGKになりたい」

FW27 矢形海優選手

FW27 矢形海優選手

「前線からのアグレッシブなプレーや球際の強さ。前線でボールを奪ってゴールまで行く、得点できるというところが特徴。憧れは、横浜F・マリノスの仲川輝人選手。自分と同じく小柄だが、その球際の強さや動き出しに憧れている。動き出しで得点に絡んでいけるように、真似をしていきたい」

 マイナビベガルタ仙台レディース時代からの20名の選手に、個性豊かな仲間が加わった。新たにチーム作りに着手した松田監督が目指すのは「攻守においてアグレッシブに、常に主導権を握るサッカー」だ。「自分たちが優位に、意図的にサッカーを進める。狙うのは優勝。常に優勝争いができるチーム、更に選手たちが個性を発揮し、一歩でも二歩でも成長できる環境を作っていきたい」。けして選手を型にはめることはしない。それぞれの個性と特長を見極め、新チームのアウトラインを描いていく。

マイナビ仙台レディース 初練習

 会見の翌日9日には、泉パークタウンサッカー場で初練習が行われた。この日は前夜からの降雪で、ピッチは一面真っ白になっていた。朝早くからチームスタッフ、アカデミースタッフ総出で雪かきを行い、練習場の4分の1ほどを除雪。なんとかボールを蹴るスペースを確保した。空気は冷え込み、吐く息は白いが、あちこちから明るい声が聞こえる。太陽の下で仲間と一緒にボールを蹴ることができる喜びが練習場に溢れていた。

 「自分たちのボールは絶対に取られちゃいけない!」「もっと相手をだまして、だまして」「あと一歩にこだわろう!」松田監督は、様々な言葉で選手たちの心と頭を刺激する。グラウンドでボールに触れさせながら、「ボールを動かす」「良いポジションを取る」といった、松田サッカーの基礎を浸透させていく。

マイナビ仙台レディース 初練習

 昨年なでしこリーグで15得点を決めたFW浜田遥選手には、初練習で早速“新たな気づき”があった。「普段、頭を使っていなかったんだなということを痛感した。プレースピードではなく、頭の回転を速くしてプレーすることの大切さを知った」。宮澤選手も「少し(日テレ)ベレーザのサッカーと似ているところがある。ボールを動かすということがメインになるのでやっていて楽しい」と声を弾ませた。

 昨年まではJ3福島ユナイテッドFCを指揮していた松田監督。男子チーム、女子チームともに様々なカテゴリーでの指導実績があり、その豊かな経験をマイナビに落とし込んでいく。

 「男子チーム、女子チーム、何が違うの?と質問される。ひとつ頭の中にイメージしているのは男子のサッカーは『より速くより強く』、サッカーがスピーディーになる。キック力もあるし、キックのスピード、走るスピードが全てにおいて女子より速い。それゆえ、ゴールを目指すためにサッカーの本質的なところを飛ばしてしまうこともある。スピード、パススピード、(キックの)飛距離、いろいろな面で男子ほどはない女子。何でそれらをカバーするかというと、“サッカーの本質的な部分”。ボールをより多く動かすとか、相手の逆をとることとか。そういうことが必要になってくると感じている。だから『サッカーしようよ』というのがここでの合言葉になると思うし、『サッカーって何なの?』ということをより選手たちに知って欲しい」(松田監督)

 マイナビの選手たちは松田監督の下で、サッカーの本質を学び、磨き上げていく。そうした日々の中で、これまでとは違ったサッカーの魅力に、そして新しい自分にきっと出会えるはずだ。

村林いづみ
村林いづみ

フリーアナウンサー、スポーツキャスター。2004年からラジオでベガルタ仙台のトーク番組を担当し、2007年よりスカパー!や DAZNで中継リポーターを務める。ベガルタ仙台レディースは2012年のチーム発足時より取材を開始。ヒーローインタビューと勝利の祝杯を何より楽しみにしている。